名のない足跡
だからとりあえずさ、その女王サマがどんなもんなのか、確かめよーとしたんだ。
この人が死んだら、この世界は終わりだー!って感じのヒトだったら、アナタ、危ないですよって教えようと思って。
手っ取り早い方法は、直接会うことじゃん?
君の情報仕入れる為に、カルム城付近で話聞くとさ、みんな言うんだよ。
ルチル様はお優しい、って。
で、そんなに優しいなら、ついでにオレを臣下にしてくんねーかなーって。
もし、どーしようもない女王サマだったら、オレは任務もさっさと放棄して、安全な小国に逃げてたね。
…でも、君は本当に優しいってゆーか…変わった女王サマだった。
どこの誰かもわかんないオレを城に入れてさ、仕事までくれちゃって。
どこの国出身?とか、質問は何もナシ。信頼までされちゃったし。
オレ、もうどーすればいいの状態だったよ。