名のない足跡

あたしは、一瞬ぎくりとしながらも、笑顔で答えた。


「大丈夫よ?あたし、みんなのこと信じてるから」


「…君がいいなら、いいけどさ」


そう言うアズロにもう一度笑いかけてから、あたしは提案した。


「…ですから、地下の警備を強化したいと考えています。…大丈夫?ライト」


「はい。すぐに何人か配置します」


ライトに短くお礼をし、あたしは立ち上がった。



「皆様に覚えていてほしいことは、怪しい人物を見かけたら報告してほしいことと…この国を、護ってほしいということです。お願いします」



みんな、真剣に頷いてくれた。


これにて、会議は終了。





…作戦の第一段階も、終了した。







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