名のない足跡
†††
今日は、12月25日。
待ちに待ったクリスマス…
そして、あたしの誕生日!!
最近、嫌なこと続きだけど、今日くらいは思いっきり楽しみたい。
冷たい空気の中で震えながらも、あたしはベッドから起き上がった。
「ん~…」
大きく伸びをしていると、ふと窓の外に目がいった。
「…うわぁ、ホワイトクリスマスだ…!!」
フォーサス国に、真っ白な雪が降り注いでいた。
しばらく、降り積もっていく雪を眺めていると、扉が小さく叩かれた。
「あっ、ライト?」
「いいえ、ミカでございます」
そう言って食事を運んで来たのはミカで、あたしは顔を赤くした。
そんなあたしに、ミカは優しく笑いかけてきてくれた。
「ルチル様、バレバレですもの。隠していただかなくても、結構ですわよ?」
…あたしはこのとき、一体この城の中で何人が、
あたし+好き=ライト
の方程式を知っているのかと、本気で知りたくなった。