名のない足跡
残った二人を見ながら、あたしはアルファに聞いた。
「アルファ、誰に…このことを?」
「ウィンだ。こうなったときは宜しく頼むと、ずいぶん前に言われてたからな」
「…ウィンが!?」
驚くあたしに、アルファはウインクして言った。
「いい臣下を持ったな!…それじゃあ、私たちもひと暴れするぞっ!!」
「痛っ!引っ張るな、アルファ!…後でな、ルチル」
アルファとジークは、風のようにあたしたちの前から姿を消した。
呆然とするあたしに、アズロが笑って言った。
「よかったじゃん」
「そ…うよね。よしっ、とりあえず地下よ!」
強力な援軍の、突然の登場に勇気づけられたあたしは、気合いを入れ直し、地下へと向かった。
地下までは、比較的楽に進めたほうだと思う。
途中で出くわすのは味方だったり、敵だとしても、運良く二~三人で、ライトとアズロが簡単に相手を気絶させた。