キミの隣、笑顔のあなた





「よかったー!!」

心から安心したような声で、ほっと息をつく茉胡を,私はまだぼーっと見ていた。

「一目惚れしたって言ったって、はじめは全然だったんだよ。
 あーかっこいいなあ、って。
 教科連絡の度に顔を見て、近くで話してそう思うくらいだったんだ。

 でも、それが毎日続いていくと、だんだん欲が出てきて。
 全然うちのものじゃないのにね。」

「・・・・・・・」

わかるよ、わかるんだよ、その気持ち。

「うちとだけ話してほしいなあ。とか、うちにだけ笑ってほしいなあ。とか、もっと近くにいたいなあ。とか。
 そんなことばっか思ってさ。

 だからと言って ”告白しよう” とか、そんなことはまだ思わないけど。」



・・・えっ。


声に出なくて本当に良かったと思う。


...告白。


それは、私には超えられない壁だった。




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