キミの隣、笑顔のあなた
ピストルが鳴り、走り始めたメンバーの中には、前列に立っていた佐伯くんももちろんいて。
至るところで女子たちの黄色い声援が校庭に響き渡った。
200m走は、校庭約1周分なので、どこにいても基本的に走っているの姿を見ることができる。
ぼーっと見ていると、いつの間にかゴールテープは切られていたようで。
『きゃああああああああ!!』
「さすが佐伯先輩!」
佐伯くんが1位だったらしい。
「・・・すご。」
「あははっ!!!」
あ然としている私を見て、隣で茉胡がケラケラ爆笑していた。
それからもレースはどんどん列ごとに続いていったのだが、高校の体育祭と、侮るなかれ。
思ったより、みんな本気で走っている姿に少し胸を打たれた。