キミの隣、笑顔のあなた





なんていいわけしよう、と思ってチラッと茉胡を見てみると、不思議そうな顔をして私を見つめたままおにぎりを食べていた。

「・・・あ、えっと。
 ほら、4月に紹介の時、誕生日言ってたから。
 あーの、えっと私の幼馴染と同じ誕生日だったから、偶然。
 だから、覚えてたのかも。」

「あ、前言ってた幼馴染さん?」

「そ、そう。」

「ふーん。そうなんだ。」

そう言ってまたお弁当のおかずを食べ始めた茉胡。



・・・ほっ。

とりあえず、ばれなかったみたい。

嘘はいっていない。うん。言ってない。

これ以上、茉胡に嘘つきたくなくて。もういやだったから。

とっさに、出てきた言葉だった。





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