キミの隣、笑顔のあなた
茉胡side
——————コンコン
「はーい。」
ドキドキドキドキドキドキ—————
「しつれーしまーす!!!」
ドアの向こうから聞こえた、大好きな人の声により一層早くなった心臓の音はこの際無視だ。
今日は、誕生日プレゼントを渡しに来たのだから。
「おー、なんだ、枩谷か。」
「なんだ、ってなんですか!」
「あはは!」
職員室に入って、一番近くにあるソファに座った。
うちはこの前の体育祭で、今目の前にいる附田先生に告白をした。
もちろん返事は、『ノー』だった。
それでも、そのあと気まずくなることなく、こうやって普通に接してくれるのは、やっぱり大人だなって思う。
「んで?どうした?」
ドキドキドキドキドキドキ—————
静まれ!うちの心臓!
「あ、あの。」
「ん?」
「あ、えっと、今日、先生の誕生日だって聞いてたので。」
「ん?あ、おう。」
渡せ!渡すんだ!枩谷茉胡!
「・・・こ、これっ!お誕生日プレゼントです!」
……若干声が裏返ったのは、とりあえず知らないふりをしておこう。
「あ、あの、いらなかったらいいんですけど。」
「いや、そんなことないよ。ありがとう。」
「いえ。」