キミの隣、笑顔のあなた



『今日は、ちょっと遅く家出ることになりそうだから、一緒に行けない!』

『うん!わかった!』

『ごめんね。先行ってて。』

『はーい!!』

朝起きて、携帯を開き茉胡とメールのやり取りをしてから下に降りた。

あれだけ泣いても、家族はなにも言ってこなかった。
私は、泣いても目が腫れにくい体質なんだと、どうでもいい発見をした。


「いってきまーす。」

「「「いってらっしゃーい!」」」

いつも通り、家族に見送られて家を出た。

いつもより10分遅れで。

今日は、ゆっくり考えていきたかった。

ゆっくり歩いている時間もないけれど、一人でゆっくり考えて学校にいきたかった。

本当は学校も休んでしまいたいくらい、自己嫌悪に襲われた。

でも、そんなの不自然すぎるから、せめて、茉胡に会わない時間を作ろうと思った。

そこで考えよう、と。


昨日の夜、最低すぎる自分に気づいた。気づくのは、あまりにも遅すぎて、茉胡に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


澄にいのことはあきらめるべきだ、そう思った。

でも、私がどんなに最低でも、やっぱり澄にいへの想いは本物のようで。


”消えろ、消えろ”


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