キミの隣、笑顔のあなた
『さよーならー。』
今日も一日が終わった。
本当は今日からでも澄にいとお話したいんだけど、今日は残念ながらバイトなので、来週からゆっくり話すことに決めた。
「じゃーね、茉胡。バイト行ってきます。」
「はーい、いってらっしゃーい!!」
帰りの挨拶をしてすぐ、茉胡とばいばいをしてからバイトに向かった。
バイト先に向かう途中、バイト中。
澄にいと茉胡のことを考えていた。
どうしたら、二人が想いを伝えあえるのか。
自分に正直になれるのか。
周りに極力迷惑をかけない方法はないのか。
考えている間、自分の心の中から胸の痛みが消えることはなかった。
それでも、感じてしまう痛みの知らないふりをするのに精いっぱいだった。
——————コンコン
「はーい。」
ドキッ——————
「失礼します。」
「おー、来たか。」
ドアを開けて中に入ると、黒板の前に立つ附田先生ではなく、澄にいがいた。
私に対して、先生としてではなく、幼馴染としての視線を向けてくれることにすごく喜んでいる自分がいる。
私に向けてくれる笑顔に、胸をときめかせている自分がいる。
・・・このまま、私だけが澄にいの笑顔を見られればいいのに。
だめだとわかっているのに、そう思ってしまう私は、やっぱり最低で、弱い。
「うん。」
「んで、これはなんだ?どうした。」