キミの隣、笑顔のあなた
ピンポンパンポーン—————
『生徒会役員からお知らせします。
ただいまから、桜涼祭の後夜祭を行います。
全校生徒、および職員の皆さんは校庭に集まってください。
繰り返しお知らせします...』
「茉依ー!」
「うん。」
「・・・いこー!!」
少し緊張した面持ちで寄ってくる茉胡は、今どんな気持ちなのだろうか。
目が合って告白したいと思っているのか。それとも...
校庭に出ると、3年生などはもう校庭に集まっていて、後ろからもどんどん人が来ていた。
「あー、緊張するなあ!!」
「あははっ。」
「あー!何で笑うのー、もうっ!
・・・うーわ。手つないでるよ...」
バシバシ私の腕を叩いたかと思えば、私の向こう側を見て嫌そうな顔をした茉胡。
茉胡の向いている方に顔を向けると、そこには手をつないだ1年生のカップルが。
「・・・あー。」
あたりを見回すと、意外とカップルは多いようで、そこらじゅうに手をつないでいるカップルがいる。
「今日はクリスマスか!なんだよ!」
澄にいのことがあるからか、少し情緒不安定気味の茉胡が敵意剥きだしで話す。
「まー、あははっ。」
笑うことしかできない私は、空笑いをした。