キミの隣、笑顔のあなた
私を見た附田先生...、澄にいが驚いているように見えるのは、私の気のせいか。
澄にいの顔を見て、完全に落ち着いた私は、茉胡の言葉を待つ。
「・・・・・・・」
でも、茉胡が話し始める様子はない。
それどころか茉胡は、顔は真っ赤になり、目にはうっすら涙がたまって、少し震えている様子だった。
なかなか話し始めない茉胡のことを不思議に見ながら、澄にいの視線は、私に向けられる。
「あ、えと、数学係の古内茉依と、こっちが枩谷茉胡です。
今日は遅れてすみません。」
「いや、大丈夫。
でも、係の説明はしたいから、帰りのHR終わりの放課後、職員室に来てくれるか?」
「はい、わかりました。」
「よし、じゃあ、もうチャイム鳴るから席戻っていいよ。」
澄にいのその言葉に、まだ固まっている茉胡を軽くたたきながら席に戻らせ、私も自分の席に座った。