キミの隣、笑顔のあなた




私を見た附田先生...、澄にいが驚いているように見えるのは、私の気のせいか。

澄にいの顔を見て、完全に落ち着いた私は、茉胡の言葉を待つ。


「・・・・・・・」


でも、茉胡が話し始める様子はない。

それどころか茉胡は、顔は真っ赤になり、目にはうっすら涙がたまって、少し震えている様子だった。

なかなか話し始めない茉胡のことを不思議に見ながら、澄にいの視線は、私に向けられる。

「あ、えと、数学係の古内茉依と、こっちが枩谷茉胡です。
 今日は遅れてすみません。」

「いや、大丈夫。
 でも、係の説明はしたいから、帰りのHR終わりの放課後、職員室に来てくれるか?」

「はい、わかりました。」

「よし、じゃあ、もうチャイム鳴るから席戻っていいよ。」

澄にいのその言葉に、まだ固まっている茉胡を軽くたたきながら席に戻らせ、私も自分の席に座った。


< 21 / 361 >

この作品をシェア

pagetop