キミの隣、笑顔のあなた
—————ドーン!!!
—————ドーン!!!
ドキドキドキドキ—————
次々と上がっていく花火に、私の胸も鼓動を早めていく。
—————ドーン!!!
—————ドーン!!!
「ま、茉依!!あと...あと、2発!!」
隣で、茉胡が私の腕を引っ張る。
「・・・うん。」
—————ドーン!!!
「・・・・茉胡、がんばれ。」
初めて、茉胡に『がんばって』ってちゃんと言った気がする。
——————————ドーン!!!
ひと際大きい音が鳴ったその花火は、夜空にきれいなハート形を描いた。
すぐに隣の茉胡に視線を向けると、
茉胡の視線は、ある一点をとらえて離さなかった。
隣にいる、私にも気づいていない。
それはまるで、周りの世界がすべて止まっているかのようで。
茉胡の視線の先を追うと、そこには、
——————こちらを向いた澄にいがいた。
その瞬間、私の世界の時間が止まった気がした。
2人の間には、私なんて、周りなんてなくて。
・・・ただ、二人だけの世界に、二人はいた。
確かに、二人だけの世界が、そこにはあった。