キミの隣、笑顔のあなた



体育館では、バスケ部が活動をしていて、ちょうど男バスの姿が見えた。

軽くフットワークをしている姿、それとそれをギャラリーから見ている女子たちの姿が見えた。

「・・・あれ、なんだ?」

「ん?あー、あれね。ほら、悠弥のファンたちだよ。」

普通ではない光景に思わず疑問が口に出ていたようで、教室にいた葉菜ちゃんが声をかけてくれた。
球技大会、ともに汗をながし優勝を勝ち取ったメンバーの、あの葉菜ちゃんだ。

「あ、葉菜ちゃん。
 ・・・悠弥?・・・ファン?」

「えっ!?もしかして茉依ちゃん、悠弥知らないの?」

「うん。」

「ほら、あの赤のバスパンと黒のバッシュの人。
 佐伯悠弥、っていって7組だったかな。
 中学の時は県選抜の4番で、今も一年からレギュラーになってるやつ。
 私、あいつと幼馴染でさ、相変わらずバスケしてる時だけかっこいいんだよね。」

うわー、この学校に悠弥知らない子っていたんだ。とブツブツ言いながらも、丁寧に教えてくれた。

えーっと、7組、ってことはスポ科か。
県選抜の4番...?
中学校の時は私も茉胡も他校の男子とか見てなかったからなあ。


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