キミの隣、笑顔のあなた
「・・・知らなかった。」
「茉依ちゃん、女子なのに!いや、まあ私はもう見慣れてるしね、あの顔。
だから何とも思わないけど、なんていうか、知らない人がいるとは...意外だわ。」
男子は私にあまり話しかけてこないし、男子と接点がないから知らないのも無理ないと思うけど。
「顔?」
「・・・え?もしかして顔も知らないの?」
「うん。」
「ええええええええ!!あいつあれでもイケメンって言われるくらい、顔は整ってるんだよ。」
「そうなんだ。」
それで言ったら、私は澄にい以外かっこいいと思ったことは身近の人に対してはないからなあ。
っていうか、葉菜ちゃん驚きすぎだと思う。
「じゃあ、次近くで見かけたら教えてあげる。
じゃあ、私もう帰るね!ばいばーい!!」
「あ。じゃあね。」
そのままカバンをもって葉菜ちゃんは教室から去っていった。
・・・佐伯くん、か。
バスケ上手なんだったら、あとで体育館覗いてみようかな?
そのまま机に戻ろうと思ったら、もう教室には誰も残っていないことに気が付いた。
席に戻ろうとしていたはずの私の足は、なぜか前の黒板に向いていた。