キミの隣、笑顔のあなた



「っ、えと、その。
 改めて、俺も枩谷のことが好きだよ。
 本当は俺から言おうと思ってたのに。
 さっき被った時も、違うことかと思って先に枩谷の話聞いてから伝えようと思ったんだけど。」

俺ださっと言いながら頭をかくその姿でさえかっこいい。

ださくなんてないですよ。先生。

「いや、そんな!」

「でも、俺、枩谷と付き合っていいのかわからない。」

「っえ?」

「俺は先生と、枩谷は生徒。
 もちろん、何かあったら責任をとるのは俺だし、それは全然いいんだけど。
 それで、枩谷の人生は、なくなる可能性もあるんだ。」

「・・・・・」

そこまで考えていなかった。
ただ、好きで、その気持ちが大きくなって。

近くにいてほしい、うちにだけ笑ってほしい、そばにいたい。

そういう気持ちだけで、想いを伝えたけど。

・・・先生は、そこまで考えてくれていた。

やっぱり、大人だなあって、そんな場面でもないのに、惚れ直してしまった。

「もし、俺たちに何かあったら、そこから先、俺はお前のそばにいてやれない。
 そういうリスクがある。
 それを考えると、付き合っていいのか、わからなくなってしまって...」

こんなこと言っちゃいけないのかもしれないけど。
「ごめんな、頼りなくて...」とつらそうに笑う先生が、あまりにもかわいくて。
愛おしくて。


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