キミの隣、笑顔のあなた
「え、ええ?!
あ、ありがとう!」
若干困惑気味になりながらも、私から袋を受け取った。
「たぶん、サプライズで渡したかったんだよ。
でも、まあ、今はデートもいけないでしょ?だから、たぶん私に託してくれたんだと思う。」
「茉依が、澄さんにうちの誕生日教えてくれたの?」
「うん。」
「そっか。そっか!
えへへ、ありがとう!」
これ開けちゃおう!とうれしそうに頬をほころばせながら言う茉胡を見てわがままな私の胸は痛んだ。
茉胡のことは、大好き。
でも、澄にいのことも好き。
それでも、私は自分で二人をくっつけようとしたし、そうするって決めて、実際くっつけた。
そうすれば、忘れられるかも、って途中で思いはじめたのも事実。
それなのに、澄にいに恋する私の胸は、わがままで。
想いは日に日に募るばかり。
茉胡が澄にいのことを”澄さん” と呼ぶたびに、澄にいのことを話すたびに、私には見せない恋する女の子の表情を見せるたびに、ひどく締め付けられてしまう。
そんな資格ない、自分から二人の幸せのために動いたのに。
忘れることができず、むしろ前よりずっと、澄にいのことが好きになっている自分が情けない。