キミの隣、笑顔のあなた

「・・・よし、じゃ、行こっか。」

そんない自分の気持ちを払拭したくて、茉胡の幸せそうな表情を見るのが辛くなって、明るい声で茉胡を引っ張った。

「そうだねー!れっつごー!!!!」

アトラクションに並ぶ時間もずっとおしゃべりして、おそろいのトレーナーを誕生日プレゼントとして私が2枚買って、写真もたくさん撮って。

普段茉胡とは正反対のタイプの私が、閉園まで茉胡とたくさん騒ぎまくった。



「あー!!楽しかった!!最高の誕生日になったー!!」

いつもの最寄り駅につき、改札を出た瞬間、茉胡が急に大きな声でそう言った。

「ほんと?ごめんね。本当は私の時みたいに1日遊びたかったんだけど。
 どうしても、当日にお祝いしたくて。
 だから、午前中分はまたいつかの放課後にね、やるから。」

「ええー!いいのに~!今日、十分楽しかったよ。」

「そう?ならよかった。」

「うん。それじゃあ、今日はもう遅いし、寒いから帰るね!」

「うん。また月曜日、ばいばい。」

「ばいばーい!!」

茉胡と別れ、家に向かって歩き出す。

帰りの電車の中で、茉胡は何回かメールをしていた。

見てはないけど、たぶん澄にいとしていたんだと思う。

「はあ。」

もう、本当に、これで、想うことすら許されないようになったなあ。


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