キミの隣、笑顔のあなた
理系の数学担当者は、澄にい。
来年クラス替えをしたら、よっぽどのことがない限り卒業まで同じメンバーになる。
ってことは、二人をずっと間近で見続けることになる。
・・・それは、はっきり言ってツライ。辛すぎる。
だけど、茉胡のこと、私は大好きだから。
同じクラスにもなりたい。
澄にいのこともまだ、大好きだし、澄にいのことを授業で見ることができることも、すごくうれしい。
「・・・はぁ」
ため息が出てしまうのは、しょうがないと思う。
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン————
進路希望調査の紙を提出してからさらに2週間近く。
明日の終業式が終われば、いよいよ冬休みに入る。
バイトもなく、茉胡は用事があるらしく先に帰ってしまったので、すごく暇だ。
5:00のチャイムが鳴り、私は外に出た。
特に用事はないけれど...。
2人はつい5日ほど前、無事1ヵ月を迎えた。
誰にもばれることなく、毎日のメール、電話だけでも二人の愛は深まっているようだった。
毎日、幸せそうに澄にいのことを話している茉胡を見ていたら、茉胡から澄にいの話を聞くことにもだんだん慣れてきた。
澄にいのことをあきらめたわけではない。
ただ、茉胡から澄にいの話を聞いても、過剰に反応しなくなった、というだけなのだけれど。