キミの隣、笑顔のあなた



「それでは、3年生から順に退場してください。」

司会の先生の声と同時に、3年生がぞろぞろと動き出す。

「茉依ー!!やっと1年終わったねー!!!
 いよいよクラス替えかあ・・・。同じクラスになれるといいね!!!」

「うん。」

最近は前のように笑顔で会話できるようになった。

一時期は、もう自分で自分の表情がわからなくなってしまうこともあったけれど。

今ではもう、すっかり心に仮面をかぶせて茉胡と話しをすることができている。

・・・悪い意味ではなく。

茉胡を傷つけないように、自分が傷つかないように。

ってこれは悪い意味か。




「・・・わかったか?よし。
 じゃあ、まずは、1年間お疲れさまでした。
 俺は、実は担任を持つのは初めてで、4月のころはすごく緊張していた。
 だけど、お前らの担任で本当に良かった。最高の1年だったありがとう。」

私も担任のことは嫌いじゃなかったから、なんだか少し寂しい。

夏休み、冬休みは講習があったけど、春休みだけ講習がないので、このメンバーでこのクラスで、いることができるのは本当に今日が最後なのだ。

そう思うと、少ししんみりしてしまう。

「よし、じゃあ、最後の挨拶、するか…!」

「きりーつ、れーい。」

『ありがとうございました。』

「・・・ありがとう!」

『さようなら』




こうして、私の怒涛の1年生を過ごした1年間は幕を閉じた。


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