キミの隣、笑顔のあなた
6st story  喧嘩



「ごほっ、ごほっ、えほっ...」

ピピピッ ピピピッ―――――――――

「あらー、8.5分ねえ...
 今日は仕事休もうかしら...?」

「いや、いいよ。
 薬飲んで寝てればたぶん大丈夫だと思うから。」

「・・・でも。」

「大丈夫だって。仕事行っていいよ。」

私の言葉に数分悩んでから、

「...うん。わかった。
 でも、今日はなるべく早く帰ってくるからね。」

「うん。ありがとう。」

「それじゃあ、寝てなさいよ。」

そう言い残してお母さんは、私の部屋から出て行った。

今日6月9日は、私の17歳の誕生日。

それなのに、私は風邪をひいたみたいだ。


2年生に上がって早2ヶ月。

無事、私は茉依と再び数学係になることができた。

そして、2年生になって初めての定期考査がつい5日ほど前に終わった。
去年と違い、一次考査から教科数が多く大変だった。
けれどそれが無事終わり、安心したのか熱を出してしまった。

「はあ...」

ボーっとする頭で、お母さんがおいてくれたクスリとペットボトルの水を飲んで、そのままベッドに横になった。




ピーンポーン ピーンポーン—————

遠くでチャイムが鳴っている音が聞こえる。


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