キミの隣、笑顔のあなた



そんなに待たずに、澄にいが出てきた。

ぼーっとしている茉胡を引っ張りながら、椅子から立ちあがり、澄にいのほうに体を向けた。

「よし。えーとじゃあ、係の説明する前に、もう一回名前教えてくれる?」

「あ・・・。えっと。」

なかなか言葉が続かないので茉胡の方を向くと、さっきの数学の時と同様、真っ赤になりながら腕が少し震えていた。

「・・・あ、えーと。私が古内茉依です。
 で、こっちが枩谷茉胡です。」

「おっけ。君が古内で、君が枩谷ね。」

「はい。」

代わりに答えた私と茉胡を交互に指さしながら確認する澄にい。


——————古内。


ここで普通に『茉依』って言われてもびっくりするけど、澄にいからは聞きなれない『古内』。

ちょっぴりショックを受ける私。


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