キミの隣、笑顔のあなた



「まだかなあ・・・」

お盆が明け、楽しみにしていた澄さんとの日帰りドライブデートの日。

朝9:00と少し早めだけど、楽しみすぎて昨日は早く寝たから、今日はいつもより2時間くらい早く起きた。

だから、準備も余裕でできた。

澄さんとのやり取りで、念には念を、ということで、うちが澄さんの車を見つけて乗ることにした。

待ち合わせ場所は、人が多いショッピングモールの駐車場。
うちは、澄さんの車のナンバーと、大体どこに止めるかっていうのを聞いている。
そこに行くだけ。

緊張で落ちつかず、待ち合わせ付近で少しうろうろしていると、

ブロォォォォーン———————

向こうから、こっちに近づいてくる車があった。

黒、ナンバー...あ、あれだ。

止まった車に、すぐ乗った。

「おはよう、茉胡。」

隣から聞こえる、大好きな人の声に、鳥肌が立った。

「お、おはようございます。」

「ははっ!なんで敬語?」

「っえ!なん、となく...?」

「あはは!!!」

いつも電話で話しているけれど、その時とも違う。
学校で聞いているときの声とも違う。

普段の、澄さんの声を聴いている感じがして、余計うれしくなった。

それに、生の澄さんに会えるのは講習以来。

久々すぎて、うれしさが倍増する。


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