キミの隣、笑顔のあなた



「今日は、ドライブだけど、いい?」

「はい!澄さんの運転している姿、すっごい楽しみにしてましたから。」

「そっかー。って、そろそろ敬語やめてよ。」

「あっ!そっ、そうだね。」

いつもは確かに敬語だけど...

改めて隣を見てみると、私服姿で運転している澄さんは、うちには少し刺激が強い。

か、か、か、

「かっこよすぎる...」

「、、そんな改まって言うなよ、照れるだろ。」

手で口元を隠す仕草でさえ、かっこいい。

「よし、じゃあ、出発進行。」

「しんこーう!」




「今日はどこ行くの?」

30分くらいの休憩のためによったサービスエリアで、思い切って聞いてみた。

「んーと、山梨県にいこうかな、って。」

「山梨?」

「そう、遠く感じるだろ。でも高速使えば結構近いからさ。
 初デートだし、一番いいとこ考えたら、まあ、そこになった。」

そう言って澄さんがスマホを差し出す。

「甲州夢しょうじ...?」

「違う、甲州夢小路(こうしゅうゆめこうじ)」

「あっ、ほんとだ!楽しそう!」

「だろ?茉胡なら絶対喜ぶと思ってさ。」

「えっ!...ありがと。」


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