キミの隣、笑顔のあなた
茉依side
もう、苦しかった。
言ってしまいたくなった。
茉胡はどうせ、私と澄にいが幼馴染だって知らない。
隠し通せない、そう感じた。
だから、いいかな。て思った。
・・・そして、言ってしまった。
「幼馴染のこと、うん。好きだよ。」
でも、そのあたりから、茉胡の様子が変わった。
お盆が明けて、時間ができたので、遊ぼうと誘ったが、断られてしまった。
まあ、メールの様子はいつもと変わらないんだけど...
・・・考えすぎ?
怖かった。
茉胡に私の想いがばれてしまうことが。
だから、ずっと隠していたのに。
なのに、なのに、私は言ってしまった。
『幼馴染のことが好きだ』と。
だから、茉胡から
「・・・どうして、澄さんと知り合いだ、って言ってくれなかったの?」
「知り合いなんでしょ?澄さんと。
幼馴染、って澄さんのことなんでしょ?」
そう聞かれたときは、驚いたけど、それよりも恐怖のほうが強かった。
これがばれたら、茉胡とはもう終わりなのかなって。
幸せをつかみ取れる人と、自分から手放した人。
それは、茉胡と私。
私ができることは、茉胡に私の本当の気持ちを気づかせないことだ。
——————だから、嘘をついた。