キミの隣、笑顔のあなた
「それじゃあ、帰りますね。」
「あー。古内、ちょっと話あるから残ってくれるか。」
「あ、はい。わかりました。」
けれど、澄にいに呼び止められてしまった。
澄にいも澄にいで話すことがあるのかもしれない。
そうなったら、何時に帰れるかわからないので、茉胡に先に帰るように言った。
「じゃあ、茉胡。今日は先に帰ってていいよ。何時になるかわからないし。」
「あ、うん。わかった。先帰るね。また明日ねーばいばい」
結局最後までぼーっとした様子で、そのまま教室のほうへ歩いていった。
「うん、ばいばい、気をつけてね。」
聞いているかわからないが、一応声をかける。
「変わんねえなあ。」
声がしたほうにばっと体を向けると、ふはっと笑いながら、こちらを見ている澄にいがいた。