キミの隣、笑顔のあなた



「茉胡、今のままだと別れちゃうよ。
 せっかく附田先生が連絡してくれてるんだよ。
 附田先生はちゃんと、茉胡と話そうとしてくれてるってことでしょ?
 茉胡はそれに向き合わなくていいの?」

「・・・・・そっか。そうだよね。
 ちゃんと話さなきゃだめだよね。逃げてちゃダメだよね。」

「うん。」

「・・・よし。決めた。今から話してきてもいい?」

「うん。」

「ごめん!本当にありがとう!!
 いつもいつもごめんね!行ってくる!!」

そう言って教室から走り去っていった茉胡。

その足音が聞こえなくなるまで、笑顔を続けた。

「・・・はぁ。」

気が付いたら教室には誰もいなく、私だけが残っていた。

澄にいは、連絡の取れない茉胡に連絡してるんだ。

1ヵ月も。

・・・それだけ、つなぎとめておきたい、ってことだよね。

それだけ、茉胡が澄にいにとって大事だってことだよね。


なんだ。

全然かなわないじゃん、私。

茉胡がそんなに大切に思われてるなんて。

知らなかった。

あと少しで1年。

デートに行けなくても、ばれずに2人は続いてきた。

想いが、絆が、強いのは当たり前なはずなのに。

心の奥底にしまい込んだはずなのに。



こんなにも、胸が苦しいのは、つらいのは、悲しいのは。




———————なんでなんだろう?



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