キミの隣、笑顔のあなた
花火が上がり始め、綺麗だなあ。そう思った時、茉胡がそう言っていたのを、ふと思い出した。
『好きな人と目が合ったら、その人と、結ばれる...』
その言葉と同時に、頭に浮かんだのは、なぜか、
――――――――――佐伯くんだった。
『俺が、古内さんを助けたい。
俺が、古内さんを甘やかしたい。
俺が、誰よりもそばで古内さんの笑顔を見たい。
俺だけが、古内さんの涙を拭いてあげたい。』
その言葉が頭の中をぐるぐると回った。
・・・嬉しかった。
自分の事だけを見てくれてるような気持ちに勝手になった。
私は、佐伯くんの気持ちに、想いに、応えることは出来ないのに。
それなのに、そう言ってくれたことにとても嬉しさを感じていた。
『それでは、いよいよ本当のクライマックス!!
豪華なラスト10発を、お楽しみくださーい!!』
一度止まっていた花火は、生徒会長の声を合図に、再び空に綺麗な大きな花を咲かせた。
・・・どこだろう?どこに、どこにいるのだろうか。
私は無意識に、視線を周りに向けた。
・・・どこに、どこに?
「―――――いっ、まい、まーいっ!!
次ラスト、次がラストの花火だよ!!」
その声が隣から聞こえたと思った次の瞬間...