キミの隣、笑顔のあなた




バチッ————————


「あっ...」

ヒュ~————————— ドーン————————


佐伯くんを見つけた私と、私を見ていた佐伯くんの視線が交わった。

それと同時に、ひと際大きな音が響き渡り、ピンクの明かりが校庭を照らした。


バラバラ パラパラ———————

お互いじっと見つめ合い、なかなか目を逸らすことはできなかった。

何も考えられず、ただ時間が止まっているように感じた。




・・・・・・・


・・・・・・・


・・・・・・・!



急にその世界から抜け出した私は、隣にいる茉胡を見た。

茉胡は真横のある一方向を向いていた。

茉胡の視線の先には...澄にいが微笑んで茉胡を見ていた。



ズキッ—————————

ドクンッ————————

さっきまで、佐伯くんを見ていた私は、2人のその光景を見た瞬間に、澄にいへの想いで頭がいっぱいになった。

「茉依ー!今年もちゃんと澄さんを見つけれたー!
 目も合ったし、今年も最高の1年になりそう!!」

「もう今年終わるよ。」

「来年の今日まで、ってこと!
 澄さんと別れませんように!!」

空に輝く星を見上げ、手を組みながら小声で、それでもはっきりと幸せそうな声でそういう茉胡のことを、私はどんな表情で見ていたのだろうか・・・。


こうして、私の高校2年生の文化祭が終わった。



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