キミの隣、笑顔のあなた
「まーい゛ー!!」
放課後、私を濁った声で呼んだのは、隣に座る茉胡。
いろんな気持ちに振り回された今年の文化祭から、2週間と少しが経った。
昨日のHRで行った席替えで、久しぶりに茉胡と近くの席になった。
一番窓側の後ろが私で、その隣が茉胡。
高校に入ってから、まともに前のほうの席になってないのは、奇跡だ。
「なに?」
半なき状態の茉胡には悪いけど、今日はバイトなので、早めに帰りたい。
「進路希望調査だっでーーーー!!
いやだよーーー!!!!」
「うーん、でも茉胡、理系に入って数学一生懸命喰らいついてるから、結構どこの大学でも入れるでしょ?」
「んー、まあそうなんだけど...!
大学に行って勉強したほうがいいのか、そうじゃない方法を選ぶのか・・・。
わっかんなーいよー!!!!」
「・・・待って!今日はバイトだから。
夜メールするね。」
「あっ!ごめん!
いってたらっしゃーい!!」
笑顔で見送ってくれた茉胡に手を振り、教室から駅までを急いだ。