キミの隣、笑顔のあなた



澄にいへの想いに気づいてすぐ、数学の先生に憧れるようになった。

一緒に働きたいなあ、って思った。

少しでも澄にいの近くに行きたくて教師になるって決めた。

だから、国公立の大学に通えるように勉強はちゃんとしてきた。つもりだ。


だけど...


どうしよう・・・。



——————そんなことを考えているうちに、気が付いたら眠ってしまっていた。





それから2日後。金曜日になった。

月曜日が進路希望調査の締切日で、この二日間いろいろ考えてみた。

私が行こうと思っていた大学は、数学の教員免許をとれるところを基準に選んだところだった。

でも今、私は完全に悩んでいた。



このまま、澄にいを追いかけてもいいんだろうか?

澄にいがきっかけで抱いた夢でいいのだろうか?



茉胡は専門学校に行くことにしたと、昨日教えてくれた。

茉胡がしっかり進路を決めた中、いろいろなことが頭を駆け巡りなかなか決めずにいた私。

最近、前よりも話すようになった佐伯くんに相談することにした。

茉胡に相談しなかった一番の理由は、私の事を知りすぎていて、知らないから。

私の性格の部分をほとんど知られている。
けれど、私の好きな人のことは知らない、と思う。

だから、あえてあまり知らない佐伯くんに相談することにした。


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