キミの隣、笑顔のあなた



『佐伯くんあのさ、佐伯くんは進路希望調査、なんて書いた?』

『進路希望調査?』

『そう。』

『あー、俺は一応どっかの大学には入っておこうかな、って。』

『そっかー...』

『悩んでるの?』

『うん。』

『どんなことで?』

あっ...

佐伯くんは、私の恋の相手を知らない。

どんな関係性なのかも。

だから、なんていえばいいんだろう。

えっとー・・・

『もともと、大学には行くつもりでいたんだけど、その大学について悩んでいて...』

『どういうこと?』

『行こうと思っていた大学に行きたいんだけど、このままでいいのかなって。』
『なんか、ここに行きたい!って思って決めたんだけど、本当にそこでいいのかなって急に思いはじめてきちゃって』

『あー、うん。まあ、悩みが出たら納得いくまで調べたら?』
『やっぱり、後悔しないほうがいいと思うよ。大学行くのもタダなわけじゃないし、受験をしなきゃいけないんだから。』

『そっか。なるほどね。』

うーん...そうだよね。

後悔しないのが一番いい。

もう少し自分で調べてみるか。
よし、明日バイト終わったら調べよう。

それで、今自分がどうしたいのかちゃんと考えて、答えを出して決めよう。

『よし、わかった。ありがとう。』

『いーえ。』


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