キミの隣、笑顔のあなた



それから少し話をして、返すのを一回やめて、会話を止めた。

佐伯くんと話したこと、自分の気持ち、自分の夢、将来のこと...

ベッドに入りながらいろいろ考えて、それから眠った。




「はい、それじゃあ、進路希望調査、後ろから送ってきてー。」

月曜日の朝のHR、朝イチで進路希望調査が回収された。


私が悩みに悩んで決めた結果は、夢を変える、ことだった。

高校に入って、情報系の勉強に興味が出始めていた。

数学を使う、けど数学!!って感じではない。

そんな情報分野の勉強をしたい気持ちはあった。


でも、数学の先生というのも捨てきれなかった。


むしろ、澄にいへの想いが、その気持ちをずっと私の中に持たせ続けていた。


だけど...。
それでも、私は大学のそのあとの進路先を変えることにした。


そしてそれは、必然的に、志望大学を変えることを意味していた。

私がもともと志望していた大学には、情報系の勉強ができる学科はない。

だから、一から調べなおした。

調べている途中で、やっぱり数学教師になろう、と何度も思った。

でも、これからいつまで続くかわからないとは言え、茉胡の彼氏である澄にいを想い続けながら、同じ職業をするのは、きっと耐えられない。と、そう思った。


その気持ちが、進路を変える大きな原動力になっていた。


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