キミの隣、笑顔のあなた
9st story 離れ
進路希望調査を出してから、3週間ほど。
クリスマスを目前として、私たちは今年最後の学校に来ていた。
今日は終業式のみ。
明日からは冬休みに入る。
終業式を終え、教室に戻ってきた私たちは、担任が来るのを待っていた。
「まーいー!!冬休み、遊ぼー!どっかいこー!」
本格的に冬の気温になってきた上に、窓側でさらに寒い私に隣の茉胡は元気に私の腕を叩きながら、話しかけてきた。
「うん。いいね。どっか行きたい。」
「うちはお金がないから、お年玉もらってからのほうがいいな。」
「うん。講習終わってから、1日遊べる日に遊ぼう。」
「そうだね!!そうしよう。」
「附田先生とは?遊ばないの?」
本当は聞きたくないんだけど...
遊ぶって言われたら、私の心がずたずたに痛むのはわかっている。
羨ましいと思ってしまう。
それでも、親友の恋を応援している身。
避けては通れないことを、小声で茉胡にそっと聞く。
端の後ろの席なので、小声で話せば、周りに内容を聞かれることはない。
周りもしゃべっていて、がやがやしているのもあると思う。
「んー...
クリスマスに、どっか行きたかったねーっていう話はしてたんだけど...
夏休みの時みたいに、年明けにどこかに遠出できたら、かな?」