キミの隣、笑顔のあなた
そのまま佐伯くんは部活に行ってしまった。
うちの学校は、放課後のみスマホの使用許可が出るので、カバンからスマホを出して、電源を入れる。
・・・それにしても、一緒に帰ろうだなんて、珍しいなあ。
・・・まさか、また告白されるの?
・・・いや、そんなわけないか。
雰囲気はそんな感じじゃなかったから。
1時間半くらい、スマホをいじっていればすぐすぎると思う。
時折、窓から体育館を覗きながら、佐伯くんが来るまで教室で待ち続けた。
「わりぃ!遅くなった。」
佐伯くんはそういって後ろのドアから顔を出した。
佐伯くんが教室に戻ってきたのは、空がオレンジ色に輝いているころだった。
部活に行ってから、約2時間が経とうとしていた。
私は、スマホをいじっていたので、そんなに長く待ったつもりはないのだけれど。
「それじゃ、いこうか。」
「・・・待って!言いたいことがあるから。」
佐伯くんの立っているドアに向かって、私の席から歩いていた時、突然佐伯くんが大きな声をあげた。
その声に思わず立ち止まってしまった。
・・・まさか、告白?
そんな思いが、脳内をかすめたとき、