キミの隣、笑顔のあなた



悪気があっていっているわけではないとわかっていながらも、この言葉には傷つく。

私だって好きな人とデートしたいよ。

でも出来ないし、彼女いるし、その彼女は茉胡で。

茉胡には絶対知られてはいけないこと。


でも、時々、知らないことが憎い。


「ちがうよ。でも、佐伯くんならいいかなって思ったから。」

これは本当。

誘われたとき、嫌だとは思わなかった。

だから、行くことにしたんだ。

隣では茉胡が私の今日の予定に驚きながらも、学校までいつものように話をしてむかった。




「終わったー!!!!」

4時間目の物理が終わり、挨拶を終えた途端、隣から大きな声が聞こえた。

茉胡が言ったように、今の時間で講習が終わった。

あと帰りのHRをやったら、もう今日は帰れる。

「えっとーじゃあ、とりあえず帰りの連絡は・・・」

前で担任がいつものようにお話をする。


いつもは気にならない担任の話。

話が長い。

早く終わらないかなあ。


・・・・・ん?


早く終わらないかなあって、これからのことが楽しみなのかな。


そっか、そうだね。

少し、楽しみだな。


これからの予定を少し楽しみにしていることに気づき、そんな自分に驚いた。



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