キミの隣、笑顔のあなた
「・・・です。以上」
「きりーつ、れーい。」
『さようならー』
バタバタと騒がしくなる教室。
「ごめん、茉胡。じゃあ、行くね。」
「おお!いいなあ。私も会いに行こうかなあ。
うん。おっけ。行ってらっしゃい!!」
笑顔で送り出してくれた茉胡。
そうして、待ち合わせ場所である学校の裏道近くにある秘密スポット・コンビニに向かった。
「ついた・・・」
周りを見るが、高校生はおらず、佐伯くんも来ていなかった。
リップをぬって、くしを通し、コンビニのガラスで身だしなみを確認した。
ハンカチある、財布ある、スマホある...
よし。いいかな。
思ったより、気合いの入った準備をしていることに、再び自分に驚く。
先に早く出すぎたからか、待っても待ってもなかなか来ない。
佐伯くんは人気者だから、私みたいにすっとすぐ来れるというわけではないことを忘れていた。
手帳型のスマホケースを開いて、時間を確認すると、待ち合わせまであと5分ほどあった。
「あ、早く学校ですぎたんだ。」
ぽつりそうつぶやいて、閉じようとしたときに、手帳のポケットに挟まった折りたたんである紙が目に入った。
それは、風邪を引いた今年の誕生日、澄にいが私の机に置いておいてくれていたメモだった。
その時は気づかなかったけど、1週間くらいして見つけた。
その紙を取り出して、広げた。