キミの隣、笑顔のあなた
茉依と別れ、一人で数学職員室に向かう。
「はぁ...」
職員室へ向かって、一人歩くうちの足取りは重い。
茉依とデートした後も、あまり連絡を取り合わなくなった。
忙しいのかな、と思っていて、うちも何も送らなかったんだけど...
・・・あっ!
茉依が遅れてくるなら、うちが今行けば、澄さん一人ってことかな?
っていうことは、すこし二人っきりでお話ができるかも...!
よし、そうしよう。
久しぶりに、生の澄さんと話せるチャンスに、うちの心はハッピーに踊っていた。
コンコン————————
「はーい。」
久しぶりに聞く声に、うちの胸はどきどきが止まらない。
「失礼します。」
ガラガラ—————————
「教科連絡に来ました。」
うちの顔を見た澄さんが、一瞬驚いたような表情を見せた。
・・・え?あれ?
どうしてそんな表情するの?
澄さんの反応に、悲しくなった。
「えっと、茉依はもう少ししたら来るそうです。」
学校にいるときは、澄さんではなく先生、敬語で話すというのは自分の中で決めていることだった。
「そうか。」
「それまで、先生、お話しませんか?」
「・・・ああ。」