キミの隣、笑顔のあなた
それから、2人でいろんなお話をした。
冬休みの間、会えなかった分、たくさんお話をした。
澄さんもたくさん話してくれて、うちもたくさん話した。
・・・でも、どこか上の空で、うちの不安はどんどん大きくなっていった。
ガラガラガラ————————
話し始めて、5分ほど、職員室の扉が急に開いた。
「あのっ。遅れましたすみません。」
バッと反射的にドアのほうを見ると、はーはーと方で大きく息をした茉依が立っていた。
「びっくりしたー!!コンコンしてよー。
ねえ?先生」
そう言って澄さんを見上げたその瞬間、うちは固まってしまった。
「ごめん。」
茉依がそう言っていたような気がしたが、それどころじゃなかった。
—————澄さんは、茉依を見つめたまま、他の何も見えていような気がした。
「・・・茉胡?」
澄さんが茉依を見つめて止まっていたように、うちも澄さんを見て固まっていた。
けれど、その茉胡の声ではっと我に返る。
「あっ、そうだ・・・
教科連絡、お願いします。」
澄さんから話を聞いていても、頭の中には入ってこなかった。
「「失礼しましたー。」」
職員室を出て、教室へ向かう。
「じゃ、茉胡はこっち渡してちょうだい。
私は、こっちを渡すから。」
茉依がうちにプリントの束を渡す。
「あ、うん。ありがとう。」