キミの隣、笑顔のあなた



それから、2人でいろんなお話をした。

冬休みの間、会えなかった分、たくさんお話をした。

澄さんもたくさん話してくれて、うちもたくさん話した。

・・・でも、どこか上の空で、うちの不安はどんどん大きくなっていった。




ガラガラガラ————————


話し始めて、5分ほど、職員室の扉が急に開いた。


「あのっ。遅れましたすみません。」

バッと反射的にドアのほうを見ると、はーはーと方で大きく息をした茉依が立っていた。

「びっくりしたー!!コンコンしてよー。
 ねえ?先生」


そう言って澄さんを見上げたその瞬間、うちは固まってしまった。

「ごめん。」

茉依がそう言っていたような気がしたが、それどころじゃなかった。



—————澄さんは、茉依を見つめたまま、他の何も見えていような気がした。




「・・・茉胡?」

澄さんが茉依を見つめて止まっていたように、うちも澄さんを見て固まっていた。

けれど、その茉胡の声ではっと我に返る。

「あっ、そうだ・・・
 教科連絡、お願いします。」

澄さんから話を聞いていても、頭の中には入ってこなかった。


「「失礼しましたー。」」

職員室を出て、教室へ向かう。

「じゃ、茉胡はこっち渡してちょうだい。
 私は、こっちを渡すから。」

茉依がうちにプリントの束を渡す。

「あ、うん。ありがとう。」


< 336 / 361 >

この作品をシェア

pagetop