キミの隣、笑顔のあなた



教室について、プリントを渡して、授業が始まっても、考えることはさっきのこと。

前、澄さんに茉依と知り合いか聞いた時、澄さんは固まっていた。

親友の妹だって言ってたよね...?

もしそうだとしたら、かわいがってたってこと?

・・・いやでも、茉依はあんまり関わってないって言ってたし...


どういうことなの・・・


.........はっ!



ダメダメと頭をブンブン横に振る。

そんな風に考えちゃダメでしょ!!

澄さんはうちを選んでくれた。

・・・選んでくれたんだ。

そのことに自信を持たなきゃ。

うちが澄さんのことを信じなきゃ。





でも、それから毎日毎日、澄さんを見れば見るほど、不安は大きくなっていった。


授業中、いつものように澄さんを見ていた。

ふとした時、目が合うのはいつもうちだった。

でも、ふとした時、澄さんが見るのは茉依だった。

ふわりと笑って、穏やかな優しそうな表情を浮かべ、すぐに元の澄さんに戻る。

その表情は、うちも知らない表情だった。

うちが見たことがある澄さんの表情は、先生としての澄さん、そして附田澄さんという人間だった。

でも、いまの澄さんのその表情はそのどれでもなかった。


ズキッ———————


授業中のそれは、しばらく続き、そのたんび、うちは胸を痛めた。


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