キミの隣、笑顔のあなた
次の日・・・


コンコン——————————

「はーい。」

「失礼します。」

ガラガラ—————————

「おー、また来たのか?」

最近、澄さんが、また前に見たいにうちをみて笑ってくれるようになった。

茉依のことを見ていることも多いけど、うちのことを見てくれることも増えた。

「先生ー、ハッピーバレンタイン!!」

ぽっけに隠し切れなかったラッピングの袋を取り出し、澄さんに渡した。

そう、今日はバレンタインデーだった。

中身はトリュフと生チョコ。

どちらも、少し苦めに作っている。

「おー、ありがとう。
 隠れてなかったじゃん!すぐわかったわ。」

澄さんはすぐ袋を開け中のトリュフを口に入れた。

「おっ!うんまっ。
 苦めに作ってくれてるんだね。」

「当たり前でしょー。レシピ50回くらいみたし。
 先生が甘いのあんま食べてるイメージないから苦いほうがいいのかなあって。」

「ありがとう。」

うちをみてふわっと笑いながらお礼を言ってくれた。


ドキンッ—————————


その姿に、うちの心臓は高鳴る。

「いいえ。」

きっと真っ赤になっていると思う。

でも、幸せな恥ずかしさだった。





そんな日々が続いていき、うちたちは、高校最後の年、最高学年の3年生に進級した。






茉胡side END
< 340 / 361 >

この作品をシェア

pagetop