キミの隣、笑顔のあなた
Final story  卒業




「はぁ・・・っ。」

部屋のハンガーにかかっている制服を見て、私は大きく息を吐いた。



—————明日、私は卒業する。



3年間通い、思い出がたくさん詰まった、何物にも代えがたい3年間が終わりを告げる。


・・・今年も、いろいろあった。

進路を決め、先生との話し合いで、希望大学に目標を定めることが決まった4月。

あの日から、私は本当に勉強をしてきた。

毎日学校に通い、毎日学校で勉強をしていたから、家で自主勉強をたくさんすれば何とか間に合いそうだった。


・・・球技大会。

2年の時と同じメンバーで臨んだバスケ。

1年生のチームですごい強いチームがあり、決勝で当たった。

久しぶりに本気に近い感じでバスケができた気がする。

結果は、優勝。

私と茉胡は3連覇したということで、小さな盾をもらった。

勉強机においてある写真を見ながら、そんなことを思いだした。

この写真は、その帰り、茉胡のお母さんに撮ってもらった写真だ。

笑顔で頬をくっつけ合って、本当にお気に入りの1枚。


・・・体育祭。

相変わらず佐伯くんの人気はすごかった。

走るたびに『キャー!!!』という歓声、流し目をしたように見えたときには、足の力が抜けてその場に座り込んでいる人もいた。

...さすがに絶句した。

そんな今年は優勝。

最高の最後の体育祭になった。



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