キミの隣、笑顔のあなた




もちろん、そんなこと言えない私がする返事はいつも決まっている。

「うん。
 じゃあ、代わりに英語と古典教えてね。」

「あったりまえ!はい、交渉成立!」

そういって立ち止まり、手を出す茉胡。

私も立ち止まり、握手するように握った。

「ほんと、茉依文系教科ダメだよねー。
 数学あんなにできるのに、不思議。」

私は手を離し、茉胡と再び学校を目指し歩き始めながら、話を続ける。

「私は現代の日本人だから、英語も昔の文字も使わないし。
 訳し方がいろいろありすぎるから、どれが正解なのかわからない。
 数学みたいに答えが一つなら、解きやすいのに。」

「あははははっ!
 好みとか全部一緒なのに、これだけ反対だもんねーうちたち。
 ま、だから勉強会が成立するからうちにとってはいいんだけどねー。」

私の答えに爆笑しながらそう言う茉胡を見ていると、こっちまで元気が出てくる。



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