キミの隣、笑顔のあなた



私と澄にいが幼馴染だからって、澄にいが変なこと言われるのはいやだ。

それに、澄にいの数学は本当にわかりやすくて、それがきっかけで私も数学が好きになった。

だから、澄にいが教師になったって聞いた時は、


”天職だなあ”


って感じた。


そんな澄にいが私のせいで、天職を手放さなきゃならなくなるなんて、そっちのほうがいやだ。

「うん。わかってるよ。
 言いふらすつもりもないし、学校で澄にい何て呼ばないから。」

「あ。そっか・・・。
 うん。なら、よかった。」

ほっと安心したように息をつく澄にい。

澄にいは、話せたいことが話せてすっきりしたのか、座っている回転式の椅子とくるくる回っている。

話すことがなくなったので私は部屋を見渡してみた。



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