キミの隣、笑顔のあなた




「茉依―?大丈夫かー?」

お兄ちゃんが心配して部屋まで来てくれたけど、本当は声を出すのももう億劫になっていた。

「うん。大丈夫だよ。
 ありがとう。」

「何かあったら言えよー?
 お兄ちゃんが解決してやる。」

それでも心配させまいと、何とか声を出して答える。

「うん。ありがとう。」

そんなことを思い出しながら、そう言うと、そのまま足音は下に消えていった。


ベッドに横になれば、思い出す澄にいのちゅーシーン。

今まで澄にいの彼女なんて見たことがなかったから、こんな気持ちになったのが初めてで。

ドロドロとした黒いものが胸の奥から突き上げてくるような気持ちになった。




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