キミの隣、笑顔のあなた



ブザーの音とともに放たれた3年生のボールはゴールのリングにはじかれてしまい、得点にはならなかった。

喜ぶ2年生と、最後の球技大会がこれで終わってしまった3年生、見ているだけで青春だなあとぼーっと眺めていた。

「茉依―!行くよー!」

「え!あ、うん!」

試合に集中していた私は、次が試合だということを茉胡の言葉で思い出し、必死に茉胡についていった。

コートに向かう途中、ステージにある大会本部席に座っている澄にいと目が合った。


『が・ん・ば・れ・よ』


口パクでそう言っているように見えた。


『あ・り・が・と』


私も口パクで返すと、ニコッと笑ってまた仕事に戻った。

澄にいから励まされ、余計やる気になった私。




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