黒狼と3年前の真実 【短編】
「てか、里依は他の男のことを考えなくていいから。俺だけを見てろ。」
ドクンッ。
大きく胸が鳴った。
いつも皐は余裕そうに言ってくる。
余裕ってところがムカつく。
あたしばっかドキドキしてるじゃん。
「…皐のばか。」
「あ?…俺がなんだって?」
やばい、すこーしだけ怒らせたかも。
ううん、
すこーしどころじゃない。
身の危険を感じる。
うん、皐といたら危険、退避すべき?
「…ったく、これだから自覚なしの里依は扱いが大変なんだよ。」
「うぅっ…、」
それ誰かにも言われた。
確か、透麻だっけ?
『里依の扱いは慣れだな。近々、取り扱い説明書でも書いてやろうか?』
そんなことを言われた気が…。