冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
ずっとふたりで
迎えた初日、私たちは惨敗だった。もはや場違いといっても過言ではない。


私たちと同じ期間限定ショップとして出店するのはキュートエリアだけ。でも、フロア自体がティーン向けで私たちは最初から除外されているようなもの。


とはいえ、私たちの店内も可愛いポップな色合いで、人目は引くし、やっぱり可愛いものに惹かれる女の子は多い。だから訪れてくれるお客様は少なくなかった。

ただ、どの子たちも「可愛い」とは言ってくれるも買ってくれる子はいなかった。



「可愛いけど、さすがに高くて買えない」



そんな言葉が何度も耳に入って来た。他の店はバーゲンで五十パーセントオフが当たり前。でも、ジョルフェムは元値が万越えが当たり前。


たとえ、五十パーセントオフと謳ってもティーン達が他ブランドのようにポンポンと買ってくれるはずがない。


そして、最大のライバル、キュートエリア。お昼休み、敵情視察を兼ねて、軽くお店を覗いたけれど、高くても三千円で買える洋服やバッグ。そして、どれもこれも可愛い。


正直、私が中高生なら絶対にここで洋服を買っている。
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