冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
それに、私が知っているジョルフェムの社長は、無表情で笑顔一つも見せない、聞かれたことに淡々と答え、いらない人間は切り捨てる冷徹社長。
でも、今目の前で私と握手を交わすこの人は、はにかんだ笑顔をよく見せてくれるとても優しい王子様みたいな人。
同一人物とは思えないけれど、私の中ではっきりとしたことは、どちらの社長に対しても胸の高鳴りが収まらないということ。
ただ、この気持ちが芸能人に会えたときのような興奮やミーハーな気持ちなのか、それとも別の感情なのかは今はまだ全然分からなかった。
「あの、それでやはり先ほどの話なのですが、どうして私を?」
握手を交わした後、車を走らせる社長に尋ねた。さすがに社長命令とはいえ、いきなり名前でなんて呼べるはずがない。私の中ではコッソリと社長と呼ぶことにしよう。
「・・・お前が自分の身を犠牲にして、うちの商品を守ってくれた。 それが本当に驚いたけど、嬉しかったんだ。だから、俺はそのお返しをしたい。そう思った」
「お返しなんて。それにこのバッグは、私の大切なものなので、私が守りたかったんです」
「そうか。なら俺が守ってやる」
でも、今目の前で私と握手を交わすこの人は、はにかんだ笑顔をよく見せてくれるとても優しい王子様みたいな人。
同一人物とは思えないけれど、私の中ではっきりとしたことは、どちらの社長に対しても胸の高鳴りが収まらないということ。
ただ、この気持ちが芸能人に会えたときのような興奮やミーハーな気持ちなのか、それとも別の感情なのかは今はまだ全然分からなかった。
「あの、それでやはり先ほどの話なのですが、どうして私を?」
握手を交わした後、車を走らせる社長に尋ねた。さすがに社長命令とはいえ、いきなり名前でなんて呼べるはずがない。私の中ではコッソリと社長と呼ぶことにしよう。
「・・・お前が自分の身を犠牲にして、うちの商品を守ってくれた。 それが本当に驚いたけど、嬉しかったんだ。だから、俺はそのお返しをしたい。そう思った」
「お返しなんて。それにこのバッグは、私の大切なものなので、私が守りたかったんです」
「そうか。なら俺が守ってやる」