冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
社長がコンビニに車を停めてくれたので、私は走って中に入る。お腹を満たしてくれて、なおかつ片手で食べられるもの。それなのに、おにぎりもホットフードも完売。
ガックリと肩を下ろしてコンビニを出ると、本当に違和感を感じる社長の車。高級車の名前を知らない私でもわかる場違い感。
ゆっくりと近づいてコンコンと助手席の窓を叩き、ドアを開け乗り込むと社長は、電話中だった。
「それで仕事をしたとでも言うのか?そんな報告なら、お前じゃなくても出来るだろう。次、またそんな報告をしてくるようなら、お前はもう、いらない。出先だ、切るぞ」
さっきまで夢見心地だった車内が凍りつくような怒号。声を荒げるわけでもなく、冷たく淡々と感情のない物言い。やっぱりこの人が冷徹社長と同一人物だと実感せざるを得なくなった。
「悪い。電話中だった。行ってきたか?」
「は、はい。でも、ありませんでした」
「なかった?ないなんてことがあるのか?コンビニなんてあまり行かないから知らないが、どこにでもあるはずじゃないのか?」
「それが、私もあると思ったんですがなかったんです」
そう言った瞬間、なんとなく話が噛み合っていないような気がした。社長はなんで、ないんだと首を傾げている。もしかして、社長は勘違いしてる?
「あ、あのトイレじゃなくてその、お腹が空いて何か食べるものをと思ったんですが、おにぎりも何もなくて、戻ってきたんです」
「なんだ。そうだったのか。確かにもう九時だもんな。よし、何が食いたい?何でもいいぞ」
ガックリと肩を下ろしてコンビニを出ると、本当に違和感を感じる社長の車。高級車の名前を知らない私でもわかる場違い感。
ゆっくりと近づいてコンコンと助手席の窓を叩き、ドアを開け乗り込むと社長は、電話中だった。
「それで仕事をしたとでも言うのか?そんな報告なら、お前じゃなくても出来るだろう。次、またそんな報告をしてくるようなら、お前はもう、いらない。出先だ、切るぞ」
さっきまで夢見心地だった車内が凍りつくような怒号。声を荒げるわけでもなく、冷たく淡々と感情のない物言い。やっぱりこの人が冷徹社長と同一人物だと実感せざるを得なくなった。
「悪い。電話中だった。行ってきたか?」
「は、はい。でも、ありませんでした」
「なかった?ないなんてことがあるのか?コンビニなんてあまり行かないから知らないが、どこにでもあるはずじゃないのか?」
「それが、私もあると思ったんですがなかったんです」
そう言った瞬間、なんとなく話が噛み合っていないような気がした。社長はなんで、ないんだと首を傾げている。もしかして、社長は勘違いしてる?
「あ、あのトイレじゃなくてその、お腹が空いて何か食べるものをと思ったんですが、おにぎりも何もなくて、戻ってきたんです」
「なんだ。そうだったのか。確かにもう九時だもんな。よし、何が食いたい?何でもいいぞ」